2019年の総括(読んだ本・面白かった本)
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1年も終わりなので、読んだ本について振り返ってみる。
読書メーターによると、今年読んだ本は48冊。大体週に1冊は読めた計算になる。
読書傾向
昨年は海外小説ばかり読んでいたが、日本の作品も少し読むようになった。
ジャンルについて、相変わらずSFが多いが、それ以外も文豪作品を読んだ。
国内文学
これをきっかけに、文豪作品を何作品か読んだ。
個人的には、川端康成の「片腕」が衝撃だった。 娘から片腕を借りるというシナリオは広義のSFを感じさせる。
また、安部公房のSFっぽい短編を読んだ。どちらかといえばブラックジョークよりの作品。
- 作者:安部 公房
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/08/27
- メディア: 文庫
青空文庫には坂口安吾や谷崎潤一郎といった作家の作品が無料で読めるので、これからも気が向いた時に読んでいきたい。
国内SF
筒井義隆作品を何冊か読んだ。
- 作者:筒井 康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/03/30
- メディア: 文庫
旅のラゴスは男の旅と人生の物語。読後感が良い作品だった。
あと読んだのは百合SF。
こういうテーマが決まったアンソロジーが好きなので、最近の国内SFを知る良いきっかけとなった。
伴名練が気になるので、来年は読む。
海外SF
今年のメインディッシュは危険なヴィジョン。
新しく読んだ作家
「危険なヴィジョン」に収録されていた、R・A・ラファティやサミュエル・R・ディレイニーの短編を読んだ。
R・A・ラファティはとにかくぶっ飛んでいる。「ほら話」という紹介にふさわしいが、それ以上に奇想天外で意味不明な展開にも関わらず引き込まれてしまう魅力がある。不思議な作家である。
- 作者:R.A. ラファティ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/11/01
- メディア: 文庫
サミュエル・R・ディレイニー は繊細で美しい文体の作家。作品によっては難解で哲学的で、よくわからない。だからこそ、読みたくなる。
- 作者:サミュエル・R・ディレイニー
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2014/12/29
- メディア: 単行本
長編SF
今年は長編SFも何冊か読めたので、個人的に成長を感じることができた。
「ソラリス」は本当に圧巻。 読んだSF好きの誰もがおすすめする理由がわかった。 人間以外の知性生命体との接触についての価値観が180度変わる。
そして「タイタンの妖女」。 短編を読んだ時はそこまでハマらなかったカート・ヴォネガットだが、この作品はあっという間に読み終えてしまった。 どうしようもできない運命を描いた人間讃歌。 ユーモラスかつシニカルで、どこか現実を投影した物語だった。
- 作者:カート・ヴォネガット・ジュニア
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/02/25
- メディア: 文庫
「きみの血を」はずっと読みたかったスタージョンの長編。ようやく読めた。 SFというよりはミステリ・怪奇小説よりの小説。実験的なストーリーの進み方で、面白い。
- 作者:シオドア スタージョン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/01
- メディア: 文庫
そしてイーガンの「順列都市」。 難しくて何度も挫折してきたイーガンの長編小説をようやく読破した。
下巻にかけての種明かしと、群像劇が収束していくラストは、前半に苦しんだ分が全て報われていく達成感があった。 やはりすごい。イーガンはすごい。
来年の目標
今年はあまり感想ブログを書けなかったので、来年は今年よりも多く更新したい。
読みたい本が増えていき、積読状態なので消化試合になりそうだが、新規開拓もしていきたいところ。
来年もやっていきます。